from 北海道枝幸町の宿舎

こんにちは!
コピーライターの林 孝治(はやし こうじ)です。

 

先日、37歳の誕生日を迎えました。

毎年この時期になると
決まったように書いてますが(笑)

今年も同じように
自分へのご褒美として
ちょっぴり良い物を買ったんです。

年々、いろんなものを買い揃えていくと
欲しいものがだんだんなくなってきますね^^;

悩んだ末に選んだのが
パイロットのボールペン(1万円)でした。

普段から使うものだし、
大人として品のあるボールペンを
一つは持っていた方がいいよな、

なんて理由で買ったんですが。

 

買ってから数日。

 

何回か使い、今では

「普段使いに向かないな…」
と筆箱の中で温めることになりました^^;

 

というもの、
僕には書きにくく感じたんですよね。

決して品物が悪い、という話ではないので
誤解しないでほしいのですが。
(とっても素敵な品物ですからね)

 

単純に、僕の手に合わなかった、というお話なんです。

 

僕もそうですが、多くの人が

「高価なものなんだから、きっと書きやすいだろう」
のように

価格 = 機能が優れている

と考える節があります。

 

でも、よく考えてみたら

・装飾が煌びやかである
・有名デザイナーが手がけた品物
・希少価値が高い材質を使っている

など機能とは関係ない理由で
高価になっていることがあります。

 

それに、人間工学によって生み出された形
みたいに論理的に作られた品物であっても、

必ずしも
自分にとってしっくりくるとは限りません。

 

むしろ、僕には
普段から使っている3,000円のボールペンが
とてもしっくりくることを
今回の体験を通して気付かされました。

 

これからは、価格じゃなくて、
体験して、自分にしっくりくる・こないで
選ぶようにしたいと思います^^

 

===

 

昔、家具づくりをしてるときに、
ベテラン職人からこんなことを聞きました。

「どんなに腕のいい職人でも、9割までしか作れない。
 残りの1割は、使う人によって完成する」

当時の僕には、その意味がよく分かりませんでしたが、
今回の体験でなんとなく分かったように思います。

 

その品物をもつ人の暮らしの中で
使い心地がいいように姿を変えてこそ、

その品物の完成形なんだろうな、

と思います。

 

いくら綺麗な見た目でも
使い勝手が悪かったり、
使う人の暮らしに馴染めなかったり、

使っていてストレスを感じるようなら
その品物の価値は、きっと低いでしょう。

 

民藝の考え方に「用の美」という言葉があり、
その一説にこうあります。

いわゆる美術品や鑑賞のための工藝品にはない
使われることを前提にした健康的な美が
そこに見出されました。

参照:民藝のことはじめ | みんげい おくむら本店より

と。

きっと、使われるための形こそ美しい姿なのかな、
なんて思います。

 

そう考えると、ものづくりや品物は、
奥が深いですね。

これからは、新しい趣味として
品物の鑑賞を楽しんでみたいと思います^^

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

あなたもぜひ、身の回りにあるものを見渡して、
美しい姿に触れてみてください。

 

執筆者プロフィール

林 孝治(はやし こうじ)

Be Forestチームリーダー
文章設計事務所 所長
コピーライター/作家
北海道旭川市在住 1985年6月12日生まれ

林 孝治のプロフィール

小学生のとき、名前を逆から読むとJリーグの有名選手「ジーコ」と同じという理由であだ名が決まる。

家族で唯一、愛猫に遊び相手と認識される。

小・中・高と吹奏楽部やジャズ部に所属し、現在もサックスプレイヤーとして演奏活動を続ける。相棒のYAMAHA アルトサックス (YAS-62)とともにクラシックからロック、スムースジャズなど幅広いジャンルを演奏する。

休日は、愛車のSUBARU/インプレッサで自然豊かな場所へいき、散策、読書、昼寝、物書きを楽しむ。

書くことが好きで文具へのこだわりが強く、万年筆や紙製品(手帳や手紙など)にはうるさい。
東洋哲学の奥深さに興味を持ち、勉強に明け暮れる。

小学生の時に入部した吹奏楽部で「楽器を体の一部だと思って大事にすること」「もし、楽器が故障したら修理して使う」と教えられ、「物は大事にして、直しながら長く使うこと」という価値観が当たり前になる。

その感覚は大人になっても変わらず、社会に拡がる「壊れたら買い換えればいい」という物に対する価値観に違和感を感じ、「人が愛着を持ち、大事にしたくなる物を作りたい」と考え、ものづくりに真剣に向き合う職人になろうと家具製造メーカーへ入社。

『ホームページから1円も売れていない』という問題を解決するため広報に配属され、家具の写真と価格を並べただけのカタログみたいなホームページを見て、愕然とする。

「なんで、うちの職人が思いを込めて作ってるのに興味を持たないんだろう…」

人が愛着を持ち、大事にしたいと思うのは、商品の価値だけじゃなく、誰が、どんな想いで作ったかという背景にあると考え、職人の心が伝わるホームページへとリニューアルすると、月平均で150万円を売り上げる。

また、お客様から感謝の手紙やメールがたくさん届くようになり、「こんな素敵な家具を作ってくれる会社に出会えてよかった」「家具のおかげで家族団欒の時間が変わりました」と喜ばれるようになる。

その後、上司から「もっと多くの経験を積んで、世の中の職人の力になれるよう独立したら?」の一言から、人が愛着を持ち、大事にしたくなる物を作る職人の心を代わりに伝えたいと起業。

旭川を拠点に道内の職人の想いが伝わるホームページ制作を行う。

その後、成瀬氏と知り合い、ネクストイノベーション合同会社のメンバーになり、職人気質の経営者が営む企業のコンサルティングやホームページ制作も行う。
2020年9月には、さまざまな中小企業の経営者の力になるため、コンサルティングチームBe Forestを成瀬氏とともに立ち上げる。

「自分じゃ伝えられなかったことをホームページで伝えることができた」
「想いが汲まれて、まるで自分のようだ」
「ホームページからの問い合わせが1.5倍に増えた」 と好評。

夢は、人の心や暮らしを豊かにできる物を通して、人に希望を与える職人が集まった国を作ること。

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